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2000年代のおすすめアルバムブロンド・レッドヘッド/Melody of Certain Damaged Lemons
BLONDE REDHEADは、ニューヨークで結成されたインディーズ・バンドで、本作は2000年にアメリカのインディーズレーベルから発表されたアルバム。
イタリア生まれの双子の兄弟、アメデオ(ギター・ボーカル)とシモーネ(ドラムス・キーボード)はニューヨークで偶然、京都出身のカズ・マキノ(ギター・ボーカル)と出会う。そしてこの国際的なマイノリティ・バンド(活動はアメリカだが、メンバーは全員外国人)、ブロンド・レッドヘッドは結成された。
このアルバムは前作『イン・アン・エクスプレッション・オブ・ザ・インエクスプレッシブ』と比較すると実験的な要素は少なく、聴きやすい。
ドラム・ギター・ギターという編成の、ベース・ギターが存在しないバンドなのだが、その低音の不足が音に物悲しさを与え、逆に新鮮に聴こえる。
70年代のヨーコ・オノをも彷彿させる、このジャズドラムと生ギターとピアノなどが構成するアヴァンギャルドな音は、人によっては敬遠するかもしれない。
しかし僕は、このアンディー・ウォーホルのラボのようなアンダー・グラウンドなポップを最高にクールだと思う。
ここからは、ちょっと個人的な経験を。
2000年頃、アメリカの若者たちの間では、インディーズバンドが大ブームだった。
当時の僕は、ルームメイトのジャックと一緒に一軒家を借りて暮らしていた。
地下室の僕らの部屋にはドラムセットが置かれていて、いつでも好きなときにセッションができた。
僕らは時間さえあれば、「今夜はどこどこのクラブで…ってバンドが来るらしいぜ」って感じで若者たちの間で口コミで有名になっていたインディーズ・バンドのショウによく足を運んでいたのだった。
そんなバンドの一つが、『ブロンド・レッドヘッド』だった。
僕は日本人なので、そんなローリング・ストーン誌にも載ってないようなバンドを知るわけもなく、いつも初めてバンドを知るのは、ライブ・ハウスに足を運んでからだった。
メンバーが登場して、まず、ベース・ギターが不在なことに驚かされた。
そして水色のドレスを着て登場した華奢な女の子は、なんと日本人だった。
ショウが始まる。低音が埋まらないため、スカスカなのに、何故か心地いいそのサウンドが新鮮だった。
日本人のカズ・マキノがヒリヒリした、叫びみたいな声で歌い、イタリア系のアメデオは、訛りのある、イタリア語のような英語で歌っていた。
会場の視線はカズに注がれ、彼女がギターを弾いているステージの袖下には、大勢のアメリカ男たちが集まっていた。カズが何か英語でMCを言ったとき、ガサツなアメリカ男たちが、「HUH?(何だって?)」と大声で叫んだりして、カズはショックを受けているように見えた。
そのせいか、ショウが終わり、双子の兄弟たちが気さくにファンたちと談笑していたのに対し、カズは楽屋に引っ込んだまま、二度とステージには現れなかった。
ショウが終了した後で、日本のドラマ『高校教師』のテーマソング(曲名は忘れた)が、カズのボーカルで録音されたヴァージョンで、SEとして流されていたのが印象的だった。
(妙に、この『メロディー・オブ・サーテイン・ダメージド・レモンズ』の雰囲気にマッチしていた)。
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